【 きつい、きたない、きけん 】 3Kがそろった職場でも、頑張っている若者がいるのです

  11, 2018 05:00
小さな鉄工所で働く、R君は、生まれたときから喘息です。
浅黒い顔色で、ヒューヒューと胸から息の音が聞こえてきます。
事情により、R君はご両親と一緒には暮らしていません。


彼が働く工場に、月に一度、わたしは訪問します。
昨日がちょうど、その工場に行く日でした。


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午後3時現在、涼しくなったとはいえ、工場内は溶接ガスの炎が出す熱気で、真夏のような暑さでした。
オフィスではクーラーが効いているけれど、溶接に風は禁物ですから。

あまりの暑さに、わたしはクラッと目まいがして、それでも熱風は情け容赦なく、体を攻撃してきます。

もう真夏でもないのに、このていたらくです。
あぁ情けないなぁと、自分でも思いました。



R君が働く工場は、大阪のモノづくりで有名な町にあります。
小規模の大きさのステンレス溶接を、主に生業とする工場です。
この町からは、NASAとの受注を手にしている工場もあります!


けれど、大半はR君が勤務しているような、弱小工場です。


工場には従業員が8名います。
わたしの仕事は、直接、工場には関わりはないのですが、なんとなくR君が気になって、工場に立ち寄っています。。

お節介だとは思いますが、そこは、やっぱり、大阪のおばちゃんなのでしょうね。


17歳のR君とは、ずっと昔、彼が小学生のころからの知り合いです。

この工場をR君に紹介したのはわたしなので、どうしてもお節介を焼いてしまうのかもしれません。




工場内では、ちょうど3時の休憩で、皆さんが歓談されています。
ところが、どこを見渡しても、R君の姿が見えません。


ふと、眼の端に、巨大なステンレス製のタンクの中の、アルゴン溶接の青い炎が見えます。

そこには、休憩の間も惜しみ、作業に勤しむR君の姿がありました。

外気温26度の日ですが、工場内はたぶん、30度を超えていたことでしょう。
3時の休憩もとらず、一心不乱に巨大なタンクと格闘している若者、恥ずかしながらわたしは、涙が出てきました。

それを見ているわたしの背中に、工場扇の風が吹いてきます。
その風は、生ぬるく、時折、熱風に変わります。
あたりを見渡すと、スポットクーラーと呼ばれる、その場だけに効くクーラーは、1台しかありません。

ステンレスのタンクの内部はいったい、、どれほどの気温なのでしょう。

溶接に、風は禁物なのです。



R君は、わけあって、保護処分の身です。

ゼーセーと彼の息遣いが、タンクのなかから、はっきり聞こえてきます。
溶接が終わると、ステンレスのタンクは、酸洗と言って、溶接をすることでできた屑を、酸で洗います。

それもまた、きつく、きたなく、つらい作業です。

【 モノづくり 】。

そう言われる作業のほとんどが、“きつい””きたない”きけん“です。

テレビなどでは、たまに、モノづくりの現場を取り上げた番組もあります。
錆びや粉塵、騒音さえなく、機械化された清潔な工場。
シミひとつない作業着をまとい、働く若者を見ます。

それらも確かにモノづくりではあります。

しかし、モノづくりの底辺に広がる裾野は、違うのです。

R君の働く工場の仕事の大半は、親会社からの下請けです。
その親会社は、またその上の企業からの下請けなのです。


一つの仕事は、まるでパソコンのレジストリのように、階層が何段にも分れています。

利益と作業は反比例し、上から順に高利益・低作業になるレジストリです。




要するに、一番トップの会社は、仕事を下の階層に丸投げし、自らが作業をすることはありません。

鏡、と言われる一番上の会社は、仕事を受注するとそのまま下に投げるだけなのです。

当然、彼らは、“きつい””きたない”きけん“の3Kから離れているわけです。


不況になると真っ先に切られるのが、R君の勤務する工場のような事業所なのですね・・・・・・。

未来ある若者、3時の休憩を惜しみ、自分を雇ってくれた社長・先輩方に応えようとしている若者。

モノづくりの底を支えているその若者に、わたしは、何もできません。
ただ、その背中に向けて「頑張って!がんばって」と声にならない声援を送るだけでした。










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