正直に言えなかったことが招いた、17歳の苦く哀しいできごと

  23, 2018 07:00
17歳、わたしは東京で高校生活を送っていた。
クラブ活動は、興味のあった、ESS部( 英会話部 )に入部していた。
文化祭が近づいたある日、クラブで参加するイベントを決めることになった。

3年生のS先輩の意見が採用され、英会話の寸劇をすることで、全員が一致する。


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寸劇に使う本は、モーリーン・デイリ著 【 十七歳の夏 】の原文、という驚きの内容だった。

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ストーリーは、アンジィという17歳の女の子がジャックに恋をする、心の動きを正直に綴ったモノ。
若者の恋という、ありきたりの内容だったけれど、ウィスコンシン州のフォン・デュ・ラックという土地。

町のウィネベイゴ湖畔の情緒たっぷりな風物描写とあいまって、17歳の少女の気持ちが、切ないほど胸に迫る。 



あのころのわたしの胸は、憧れのS先輩に近づける、という期待のあまり、激しく波打った。

ESS部では、わたしは、アメリカ人のお宅に下宿していたことで、英会話に堪能と思われていた。
だから、ジャック役S先輩の相手、すなわち、アンジィ役をわたしが演じることになってしまったのだ。


アメリカ人のお宅に下宿していても、ハウスメイドさんは日本人。
わたしは、その人たちと一緒のことが多く、日常の会話はほぼ日本語。

S先輩のように帰国子女でもないわたしには、流ちょうな英語など無理なことだった。


ところが、身の程知らずのわたしは、
「 出来ます!」と返事をしてしまったのだ。




英語力など、とてもS先輩の足元にも及ばないくせに、正直に言えなかったわたし。
「 実は、そこまで話せないのです、原文も辞書と首っ引きにならないと、訳せないのです」
Actually, I can not talk to that.
I can not translate the original sentence if it does not become a prisoner with a dictionary.

と、正直に言えていたら。

17歳のわたしは、未だありもしない何かを、失ってしまうのが怖かった。
そして、真実を告白する勇気もないまま、2年目のESS部を、安直に受験勉強をいいわけにして、やめた。


やめると言うために、部室に行ったあのとき。
S先輩が、哀しそうにわたしを見たのはなぜだろう。
もしかしたら、まさか、ひょっとしたら、と、いつまでも、ずっとずっと心に残ってしまった。


誰の人生にも、春夏真っ盛りの、トキメキ色に染まる時期はあるだろう。
評論ではよくなかったこの本は、若者の琴線に触れるモノを持っていたと思う。

あれからわたしにも幾たびかの春が訪れた。
けれど、17歳のころの、S先輩に対する胸がドキドキする感情は、二度とないあの時だけのものだった。

これからのわたしの人生は、穏やかでモノトーンに枯れゆくときがやって来るだろう。
若かった17歳のあのときの胸の高鳴りと哀しさ、
そして、蒼く未熟だった自分を、折にふれ取り出せるよう、大切にしまっておきたい。





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