こんな朝は、亡き祖母のことを思い出します

  28, 2018 07:00
暑くもなく寒くもない、霧のような雨が降る。
庭先の木々からは、芳しい雨を含んだ匂いがする。

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匂いは香りとなる。
その香りは鼻腔を刺激し、心にはいってきて、過ぎ去った日々のなつかしく、愛おしい記憶をよみがえらせてくれる。



子どもの頃、雨が嫌いだというわたしに、祖母は雨降りかみさまの話を聞かせてくれた。



冬が始まろうとしていた祖母の部屋には、菊の花のような炭がちろちろ燃えていた。

部屋は、夏障子から冬の障子に変えられていて、わたしの目からは、裏庭の金魚の池がよく見えた。
池のサルスベリの樹が、寒そうにしながら、部屋でぬくぬくのわたしをみている。

茶箪笥から菓子缶をだす祖母の腕が、冬障子に影を差す。
祖母のいつもの、お話が始まる瞬間だった。


雨ふりのかみさまは、ほんまにいてはるの、おばあちゃん?

はい、いてはるよ。
おばあちゃんがな、ちいちゃいとき、おとうはんに、おつかいにいってていわれてな。

薬やさんがあつまる隣の町まで、お薬を買いにいったんや。
雨ふりの夜やったし、おばあちゃんは怖てな。
ひたひたと誰かがついてくるような気がしたわ。

そのときに、ふっと横を見たらおばあちゃんと同じ歳くらいの女の子がいっしょに歩いててな。
にこにこ、わろてはるねん。


その子は、お薬屋さんまでずっとついててくれてな。
帰りしなもいっしょやったんやで。
そやけど、家についたら、どっかにいってしまいはった。

帰っておとうはんに、その話をしたら、雨ふりの神さんが、守ってくれはったんや。
お前がかしこい子やさかいや。

って、ようさんほめてくれはった。



わたしは、ワクワクした。
嫌いな雨ふりを心待ちにしたくらいに、祖母の話を聞いて心がおどった。

お利口さんにしていたら、わたしのところにも、雨ふりの神さまが来てくれる。

間もなく、入梅を迎える。
ジメジメとうっとうしい梅雨やゲリラ豪雨は嫌だけど、雨は祖母の思い出を運んできてくれる。
あの日から、わたしは雨が大好きになったのだった。

祖母の話の、真偽はさておき、
歳を重ねた今も、雨が降り始めると、ふと、わたしは神さまがいないかと、肩の横をみてしまう。

子どものころの祖母の話は、おもしろくないこと、つらいことや哀しいことがあると、
そこには神さまが住んでいて、助けてくれる、おしまいはそう締めくくった。

トイレの神さまや、井戸の神さま、へっついんさんの火の神さま、
ありとあらゆる場所に、神さまは人間と一緒に住んでいたのだ。

神さまが見ていると思うと、つい、いたずらをするのも、後ろをこっそりと見る。
もうそれで、それ以上悪いことができないなと思った子どものころだった。






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