category: ・ゆりかごの歌  1/7

母の味のドーナツが食べたいから、作りたいに変わってきた

No image

子どものころは、ひな祭りやだんじり祭り春や夏の休みになると、母はお祝いだと言いながら、ドーナツを作ってくれた。小麦粉を水で練って砂糖や、卵、重曹を入れてタネをこしらえる。そこからもう、甘い匂いが台所中に漂ってくる。お玉でドーナツのタネを掬い、油で揚げていく。私たちは待ちきれず、フライパンと母の手をじっと見つめていた。ドーナツが油の表面から顔を出し、母の手がさっと動くと、お玉にはふかふかのドーナツが...

  •  -
  •  -

若さが眩しく思うとき

No image

私も四捨五入すると、赤いちゃんちゃんこを着る年齢になる。 5年前の膝の手術後、日課に取り入れている足腰強化ストレッチも、首の痛みのある間は休んでいた。たったの二週間、ベッドで安静にしていただけで、太ももの筋力が落ちて痩せたのを感じた。 習慣にしていた夜のウォーキングも、たまに歩くと、いつもの距離を歩けなかったりする。 若さってすごいなと思うのはそんなときだ。そしてそれは、病との闘いに、顕著に現れる。二...

  •  -
  •  -

普段は無口な母が、泣き、笑い、お喋りが弾む雛の日

寒いなかでも、季節は春の息吹きを伝えようとしている。霙まじりの雨上がりに、新芽を見つけた。二月の足音を聞くと、私は小さなころの、ひな祭りを思い出す私の家はどういうわけか、季節ごとの行事は父が先頭になって取り仕切っていた。お正月のお重やお雑煮の器を出したり、床の間の掛け軸を掛け替えたり、花を活けたり、荒神さんの清水をかえたりと、四季折々の節目には、事細やかにしていた。 方や母のほうはそうでもなく、い...

  •  -
  •  -

寒い冬も、火鉢があれば幸せだった

No image

このところ、また寒波が戻り、ここ大阪でも寒さが堪えます。豪雪に見舞われている地域の方々、ごめんなさい!こう寒いと、一人しかいない昼間でも、やはり暖房は要ります。温風ヒーターは灯油代が嵩みますから、なんとなく一人でストーブをつけるのは、勿体ないし、申し訳なく思うのです。代わりに、昼間は空調機の暖房だけで過ごしていますが、灯油代と電気代、どちらが経済的なのだろう、などと思ったりしています。記憶にある私...

  •  -
  •  -

冬になると思い出す、懐かしい母の味

No image

子どものころ、寒い時期になると、母は団子粉でこしらえた団子がメインの“だんご汁”を作ってくれた。九州の熊本では、だご汁と呼ばれ、それぞれ家庭の味になっているそうだ。小さな鰺や鰯を包丁の背でトントンと叩き潰し、団子粉と一緒に練る。それを3cmくらいの大きさに丸めるのだ。母の器用な手が、まあるく丸めた団子を次から次へと、お鍋に入れていく。私たちは、台所の母の傍に立ち、母の手を目を丸くしながら見ていた。私の...

  •  -
  •  -